寺子屋でお伝えする鼻呼吸
寺子屋のヨガレッスン中は、鼻のみで呼吸していただくように指導しています。日頃口で呼吸している方は、少し息苦しさを感じるかもしれません。しかし、「無意識のうちに口で呼吸してしまう」
という鼻での呼吸に自信のない方には、無理でなければ口にテープを貼っていただくほど、特に意識して鼻で呼吸していただいています。
『鼻は呼吸のためにあり、口は食事や会話のためにある』
著作者: Vive La Palestina
それは、鼻は呼吸のためにあり、口は食事や会話のためにあるという事を日常の生活にも落とし込んでいただきたいからです。
生まれたばかりの赤ちゃんはみんな鼻呼吸です。人間も動物も安静時は鼻呼吸が自然です。
激しく体を動かすときや、からだの調整・非常事態の時にのみ口呼吸となり、激しく強い、早い呼吸になります。
そのため、口呼吸を行う事は緊急事態のサインなので、口で呼吸すると脳がストレスを感じて交感神経優位となり、身体が緊張状態となります。
また、口で呼吸すると胸式呼吸になり、呼吸量が増えて体内での酸素と二酸化炭素のバランスが崩れやすく、かえって動脈に取り込まれる酸素の量が減ってしまいかねません。(過呼吸)
口での呼吸はアゴの発達や歯並びを悪くしたり(※1)、気道の広さにも影響を及ぼします。
鼻呼吸のメリットとしてあまり知られていない事の一つに、鼻で呼吸すると一酸化窒素が鼻から気道・脳へと送られるという仕組みがあります。
一酸化窒素効果と風邪・インフルエンザの予防 対策
一酸化窒素と言えば有毒ガスをイメージしますが
鼻腔と血管の内壁で作られる体内の一酸化窒素は
- 「血圧の調整」
- 「恒常性の維持」
- 「神経伝達」
- 「免疫機能」
- 「呼吸機能」
等、健康な体にとって重要な役割を果たしている事がわかっています。
つまり口ではなく鼻で呼吸をする事で、
特にこの時期気になる風邪やインフルエンザ対策などの
- 「ウイルスの除去」
- 「高血圧の予防」
- 「コレステロール値を下げる」
- 「動脈の老化を防いで柔軟性を保つ」
- 「動脈瘤の予防」
等、現代人のお悩みの解決にとても役立ちます。
もう一点、鼻呼吸をするときに気を付けていただきたいのが、「安静空隙」を作る事です。
「安静空隙」とは、歯と歯の間の隙間の事です。
本来正常な口の状態とは、上唇と下唇が接触していても、上の歯と下の歯が接触しておらず、2~3ミリの隙間がある状態です。
鼻で呼吸をするときに安静空隙を作り顎関節を緩めて呼吸すると、気道が広がったような感覚が感じられ、とても楽に呼吸することができるようになります。
ヨガレッスン中鼻呼吸や安静空隙を意識しからだを動かしていく事で、日中はもちろん就寝時も鼻呼吸できるように取り組んでいます。
※1 口呼吸はアゴの発達や歯並びを悪くする事については寺子屋でお伝えしている『呼吸』パート3にて
次回、寺子屋でお伝えしている『呼吸』パート3
食いしばり・噛み締めや、歯ぎしり、片側噛みの影響、顎関節がからだの要をお伝えしていきます。